2009年 6月 7月
6月2日(火)

前歯も治り、笑顔を取り戻した私は、今日も元気一杯働いてきた。

しかし、気が付けば、暦は水無月。何とも言えず、切ない気分だ。

ちょっと気になる女の子から優しくされ、当然のごとく勘違いをし、もちろん、だからといって特別な関係になんてなることもなく、何もかもが空振りに終わったかのようでいて、実際、何も行動していなかった自分の不甲斐なさに悔いるような、そんな切なさだ。

しかし、そんな切なさが私は好きだ。疼く切なさ。

6月3日(水)

何でもいいという訳にはいかないところが誰にでもあるんではないだろうか。私の場合、毎朝のシェービングだ。いつも私は剃刀で髭を剃っている。電気剃刀はどうも駄目なのだ。

さて、そんな訳で、昨日、愛用の剃刀の刃を新しくした。

刃を新しくすると、慣れるまで多少時間がかかるので、その場合、朝に剃らず、夜に髭を剃るようにしている。万が一、剃刀負けをした場合、実にみっともないことになるからだ。

そして、そんな万が一の事態が昨日起きたのだった。

しかし、そんな事態が起きても対処は万全だ。まず、剃刀負けした部分にメンタムを塗り、その上からベビーパウダーを叩く。そうしておけば、朝起きる頃にはすっかり治っているのだ。

ただ、今朝、予期せぬ事態が起きたのだった。寝坊だ。口の周りがベビーパウダーで真っ白になっている事など忘れ、急いで家を出てしまったのだ。

気が付いたのは、昼飯前にトイレに行った時だった。今日は午前中に打ち合わせもあったのに、誰も指摘してくれなかった。なんというか。

私の顔になんて誰も興味が無いのかしらん。

6月4日(木)

今週も残すところあと一日。

しかし、二日休んだら、また同じような一週間が始まる。永遠とも思えるルーチン。いつ、私はこのルーチンを断ち切れるのだろうか。

ただ、先週末、目黒川に放った私の尿。

もしかしたら、いつの日にか、澄みきった目黒川を私の尿が遡上する時が来るとしたら、私のこのルーチンも断たれるのかもしれない。

ニルバーナを呼び込む尿。そう言えば、精子もチンコから出る。私はあの夜、目黒川とまぐわったのかもしれない。

都会のファンタジーだ。

「ケモノヅメ」

なかなか面白い。

6月5日(金)

小学校来の友人と、騒ぎ立てるわけでもなく、茶化しあうわけでもなく、しっぽりと酒を交わし、訥々と意見の交換をしている中で、とても革新的で確信的な話が出てきた。

できるのかできないのかという、かなり殺伐とした中で今の社会は運営されている。無理をしてでも、やらなくてはならない。それが当たり前の社会だ。できるはずなのにやらないなんて、なんと勿体無いことなのか。と

大人は、できるかできないかに迫られるような社会に対して、きちんと、やりたくないと表明すべきだ。と。できるとかできないのではなく、やりたくないからやらない。

できるとかできないとかではなく、我々はもっと地に足を着いた理想や夢を実現させるべきなのである。やりたくないこととは、私がやりたくないことではなく、我々がやるべきことではないものなのだ。

できると言ってやってきた現実が、今我々の目の前にある。それがどういう結果を齎すのかも良く考えず。

できるけれど、やりたくないからやらない。そういうことも、できるのだ。

6月6日(土)

最近、巨乳の女の子が多いよね。

だけど、気をつけたほうがいいよ、真平君。

あれはね、おそらく環境ホルモンの影響なんだよ。

だから、もし目の前に巨乳があったとしても、決して振れちゃいけない。

口に含むなんて、もってのほか。

眺めるだけにしておいた方がいい。

巨乳は環境ホルモンのかたまりなんだよ。

色々な点に疑問は残るが、このアドバイスを私は真摯に受け止めようと思っている。ただ、その状況になったら、どうなるか分からない。どうやら、男は環境ホルモンに弱いらしい。

6月7日(日)

尾てい骨付近が痛い。少しでも姿勢を変えると痛い。仕方ないので、せっかくの日曜日だが、今日は一日、できるだけ動かないようにしていた。ただ、まったく動かないというのも疲れるし、かなり退屈なので、今まで録りためてはいたが、観る時間のなかった映画を片っ端から観ていった。

なんだか、久しぶりに映画を観たような気がしたが、実際、最近映画館にもあまり行っていなかった。しかし、だからといって、6本ぶっ続けで観たのは、年齢的にもなかなかこたえる。

誰か、動けない時の対処法があったら教えて欲しいものだ。明日は良くなっているといいのだが。

6月8日(月)

映画を観ていないと言いつつ、昨日は6本観てしまったし、今日もとある所で観てきてしまった。

ケイト・ウィンスレット主演の「The Reader」

まだ一般公開はされていないが、これがなかなか良かった。ケイト・ウィンスレットはこの映画でアカデミー賞も受賞された。

「The Reader」自体は、アカデミー賞効果もあって、日本では恋愛映画としての宣伝が仰々しくされているが、内容はかなり切り込んだ、しかも、現代的なナチス批判の映画だった。

残念ながら、恋愛的な部分や、運命論的悲劇に対して、涙を流している人も多かったが、問題は愛だの悲劇だのといった、そんな個別的で偶然的な部分ではないと私は感じた。

まあ、観る人によって受け止めが違うというのは仕方ないことかもしれないが、私達は物事をあまりにも直感的に認識しすぎるところがある。まあ、今の世の中、そんなものなのかもしれないが、それが良いところでもあり、非常に危険なところでもあるのだ。

6月9日(火)

最近、「アカハラ」という言葉が俄かに取り沙汰されている事をご存知だろうか?アカデミックハラスメントの略称である。

大学教授が、その権威を私的に利用し、学生やその配下の人間に不当な差別や嫌がらせを行う。パワーハラスメントの一種らしい。

学生に対する「アカハラ」の例としては、指導拒否 専攻変更の強要 プライバシーの暴露 論文の取得妨害 などがあるらしい。

残念ながら、最高学府でありながら非常に保守的な面があり、自由な学問の探求とは程遠い、カリキュラム制度を主とする今の日本の大学で、ずっと覆い隠されていた問題のようである。

まあ、ここまで言えば、長年この日記を読んでくれている人ならば、私が何を言いたいか分かるだろう。つまり、私はいつも時代を先取りしているということだ。特に辛い面で。

6月11日(木)

ふと立ち止まった時、何かを深刻に考えることがある。

今は0時を少し回っている。先ほど家に帰ってきたところで、空を見上げると寝待月が東の空に浮かんでいる。まあ、そんな時に考えがちなことだ。

今日考えたのは、私は今なぜこんなにきちんと働いているのだろうか?ということだ。知っている人は知っているだろうが、私は高校を卒業し、何もやることもなく、生きる目的もなく、ただただ何もせずに、完全にアル中一歩手前ぐらいの廃人になっていたことがある。10年前のことだ。

そんな私が、なぜ今ごろきちんと生きているのだろうか?ということなのだ。基本的には、何の憂目も見ずに野垂れ死んでいてもおかしくないポテンシャルの持ち主なのだ。それが今もなぜ?

世界の七不思議に入れても良いと思ったのだ。

6月17日(水)

今日この頃。

今更ながら、人はなぜ生きているのだろう、と想う、今日この頃である。

悩みは浅く、そして、深い。

明日は有給休暇。やらねばならぬことが盛り沢山だ。

6月30日(火)

最近、大学の友人に会う機会があった。

大学が大学だった為、卒業してから1年ほどしか経っていないが、みんな色々と面白いことをやっているようだ。

デザイナー 職人 アーティスト カメラマン ニート ベジドル etc

とにかく、みんな元気一杯それぞれの分野で活躍している様子を訊いていると、私などは、ごくごく普通の安穏な人生を歩んでいるようで、後ろめたい気持ちになってしまった。

まあ、そんなせいもあってか、髪型をちょっと奇抜なツーブロックにしてみた。外見から入るなんて安易ではあるが、少しは彼らに近づいたような気がする。

7月1日(水)

久々にレンタルビデオ屋に行き

「縄文時代以来の一番美しい夜でした」

そんなキャッチコピーに釣られてDVDを借りた。これがかなり良かった。久々にパンチの効いた日本映画だったのだ。

気を良くした私は、再度レンタルビデオ屋に行き

「血は母より、骨は乳より受け継ぐ」

そんなキャッチコピーに釣られてまたDVDを借りた。こちらもかなり良かった。更にパンチの効いた日本映画だったのだ。

「世界で一番美しい夜」

「血と骨」

其々の鋭い切り口で、この日本という国を露にした大傑作である。みなさんもぜひ御覧になるように。

7月3日(金)

世の中こんなものなのだと、ようやく牙を抜かれた私ではあるが、果たしてそんな事でよいのかと感じる今日この頃である。

そう、そうなのだ。

願っていればなんでもできると言うが、願うことさえ挫かれる世の中で、私はあの熱く煮えたぎる情熱を取り戻すのだ。

ということで、全く関係無いのだが、さっき「時代屋の女房」という映画を観た。私が生まれ育った品川区は大井という町を舞台にした話である。

時代屋はもう跡形も無く、夏目雅子も今は亡い。映画の舞台となった大井町と今の大井町ではだいぶ隔たりがある。

唯一、映画の中で今でも残っているのが、夏目雅子がやってくる三つ又交差点にかかる歩道橋しかないが、それでいいのだ。明日、私は夏目雅子のごとく、傘をさし、あの歩道橋を、あぶさんを抱きながら、渡るのだ。

それが私なりの情熱なのだ。

7月5日(日)

今朝、姿見で自分の姿を見て愕然とした。そこに立っていたのは、三十路を控えたツーブロックの変なおじさんだった。自己顕示欲だけで歳をかさね続けた、実にみっともない姿だったのだ。

果たして、この先、私はどんな歳を刻んで生きていくのか。非常に不安に感じる瞬間だった。

しかし、まあ、こんな瞬間があるからこそ、人生というのは面白くもあるのだが。

7月7日(火)

毎週一種類。私の部屋には緑が増えている。

種類が増えるだけなら良いのだが、奴らは体積も増えるので手がかかる。仕方が無いので、毎朝、ちょっぴり早く起き、手入れをしてやっている。

何とも受身になったものだ。

私は今、植物によって生かされているのである。

7月8日(水)

週に一度、研修として大手の広告研修会に出席することになった。

主にデジタルネージなどの、新しい電子広告媒体に対するスキルを身につけるため、修行に出される訳だが、みなさんご存知の通り、私は広告をやるにはあざとさに欠けているし、ボケっとし過ぎている。

自分の動向も分からない人間が、他人の動向、はたまた、時代の動向まで読みつくし、更に、その動向に仕掛けてゆくなんて、本末転倒な話なのである。

まあ、しかし、嫌だとも言ってはいられないのである。

歳をとると、否応無しに大人の階段上るわけである。

高田渡でも聴こう。

7月10日(土)

昨夜は、荻窪で飲んで、二丁目で飲んで、代官山で踊って帰ってきたけれど、さっきまで隣で寝ていたセクシービーストは水戸へ帰ってしまい、今日買おうと思っていたキャノンのG10は生産終了になってしまって、土曜の昼間に、私は何もやることが無くなってしまった。

仕方ないので、寂しさを埋めるために、片っ端から恋人や友達に連絡したけれど、誰とも繋がらなくて、更に寂しさを増す結果になってしまい、ようやく帰ってきた友人からの返事に、嬉しさ余って思わずウンコを漏らしてしまった。

しかも、ちょうどその時帰ってきた母親に、ウンコを漏らしながら電話をしている姿を見られてしまい。すごく叱られた。きちんと事情は話したけれど、何も分かってもらえず、しかたなくパンツを風呂場で洗っったら、叩かれた。

そんな私は、今年30歳になり、今日も元気に友人のダンススタジオでフラメンコを踊っています。

7月22日(水)

WEB2.0などと呼ばれ、RSSやSNSやCMSといった統合・管理・拡張・配信システムがWEBの網目を更に細かく密にしている中で、私のホームページなどは紙媒体にも及ばない、完全無欠のスタンドアローンである。

しかし、私は思うのだ。

時を線と考えた人達がいたように、時を円と考えた人達がいた。スタンドアローンを貫く私は、どちらかというと円派なのだ。それは、円であり、宴であり、園であり、沿なのだ。円とは具体である。

明後日より朝鮮半島へ行ってくる。かつて高句麗と呼ばれた土地へ。

具体の旅である。

7月23日(木)

最近、NintendoDSを借りて、とあるシミュレーションゲームを始めている。ポータブルゲームといえば、私などはゲームウォッチから入った世代なので、ゲームを楽しむというよりは、その技術の発展に驚愕しているのだが、それとはまた別に、今だにゲームに没頭できる自分の素養にも驚愕している。

そう、私は今、いい歳こいて、ゲームにハマっているのだ。恥ずかしいとか言う以前に驚きだ。

昨日もお話したが、 明日より私は朝鮮半島へ行ってくる。かつて高句麗と呼ばれた土地だ。ゲームにハマっている私などとは違った、更なる新しい自分を発見できる旅になるかもしれない。

訪韓 1日目

20時 成田空港にて。

三十路間近の男が、変な帽子とミッキーのTシャツという出で立ちで、航空機に乗り込むところである。緊張のあまり前歯が出てしまっている。

24時 弘大にて。

ソウル到着。ホテル周りを散歩。金曜日ソウル。24時でもソウル市民はバクバク食べ、グビグビ飲んでいた。とりあえず、私もビールとパジョンを頼む。

旨い!旨いのだ!あまりにも旨すぎて箸を置けない状態だ。深夜でも元気一杯のソウル市民の気持ちを実感する。カモン!マシソヨ! <\p>

訪韓 2日目

12時 明洞にて。

ソウル2日目。昨晩遅くまで飯を食うも、不思議と胃もたれせず。エネルギッシュすぎるソウルの町を冷静な視点で見守る私の姿である。

13時 南大門市場にて。

迷った。三十路を目前にして迷子になるのも、なかなか新鮮な体験だった。ハングルの文字にまみれ、何もかも、サッパリ解からない自分を楽しむしかない。

14時 南大門市場にて。

迷った末に行き着いたのが、おばちゃん達の集う、野外パンスト市場だった。ファッションに対する女のこだわりは凄まじい。燃えるおばちゃんを目前に恐怖する私。

15時 南大門市場にて。

迷いついでに小腹が空いたので、チゲ鍋ラーメンを食べる。かなり旨い。しかも、安い。ツーブロックのせいか、中国人に間違えられる。街角で気軽に食事ができる国は良い国だ。しかし、辛い。

あまりにも辛いので、隣の屋台で売っていたメロンを食べる。これも旨い。右手でチゲ、左手にメロン。もう何がなんだか解からない。道に迷った挙句、私は何か大変なものに迷ってしまったようだ。

22時 弘大にて。

ちょっとホテルで休むつもりが、迷い疲れて21時まで熟睡してしまう。とりあえず外へ出て、起き抜けの一杯。土曜日のソウルの夜もエネルギッシュだった。

一杯ついでに、サムギョプサル。これがまた、エネルギッシュだったのである。人も街も食べ物も。ソウルはいつまでもどこまでもエネルギッシュなのだった。 <\p>

訪韓 3日目

10時 弘大にて。

2日間の韓食にちょっとブレイク。弘大でも欧州風のカフェが立ち並ぶ地区にて。エッグタルトとハイネケンの朝食。日曜日の爽やかな朝の始まりだ。

爽やかな日差しの下、傍の道端には昨晩呑み過ぎた若者達がゴロゴロしている。エッグタルトを食べ尽くし、ハイネケンを飲み乾した私は、今日はいったい何が起こるかと、夢想する。

13時 弘大にて。

韓国美人。サラさんと合流。チェジウを思わせる涼しげな器量に、チャングムのような大らかな気質、そして、底なしの胃袋の持ち主だ。大盛りの韓国風カキ氷もペロりとたいらげてしまった。

18時 弘大にて。

午後は1日、サラさんにソウル案内をしてもらい、夕方、弘大へと帰ってくる。海鮮料理屋の前で不審な食材を発見。おそらくナマコだとは思うのだが、その容姿は完全に私の仮性包茎のチンコだ。親近感。

19時 弘大にて。

日曜日の夜でも、まだまだソウルは活気に溢れている。明日は帰国なので、今夜は早めの夕食だ。この旅最後の夕食かと思うと、感無量ではあるが、これから地獄の食い倒れが始まる。

デジカルビである。韓流美人のサラさんが5人前頼んだ。5人前?なぜ?疑問を残しつつも、旨いので調子にのって、食べて食べて食べまくる。付け合せの調味料やら漬物やらも旨い。

1人前でもかなりの量があるというのに、5人前を手際良く焼いてくれるサラさん。その手際の良さは流石としか言いようがない。わんこ蕎麦、もとい、わんこデジカルビである。次から次へと焼きあがる。

後半戦、このひと欠片がずしずしと胃袋に重くのしかかる。英語の解かるサラさんに、韓国の食事はEATではなくFIGHTだと言ったら、不敵な微笑みを返された。女は強い。

23時 弘大にて。

ソウルでも類い稀なる様式のカフェバーである。アラブ式とでも言うのだろうか。店内の中央には池がある。ソウル最後のアーバンな夜を楽しむには打って付けの場所である。

アンビエントな音楽が流れる中、その辺でゴロゴロしながら酒や水煙草などを楽しめる。ダウナー系ダラダラ派の私にとってはぴったりのカフェバーではあるが、如何せん、デジカルビによって腹が重い。<\p>

訪韓 4日目

10時 弘大にて。

流石に胃もたれ気味ではあるが、ソウロンタンの優しいスープが疲れた胃に染み渡る。更に、店内に流れるスカボロフェアーの音色が身体中に染み渡る。女の子たちが集う店。良い店だ。

11時 弘大にて。

旅の最後に訪れる独特の喪失感を味わう私。あと数時間後には空港に向かわなくてはならない。帰りたくない!

12時 弘大にて。

喪失感を味わっていた私ではあったが、思わぬ出会いに、一気にテンションアゲアゲになってしまった。アナタ ガ チュキ ダカラ!ヨンサマ~!

流石の包容力である。

13時 弘大にて。

火照った身体をクールダウンするため、アイスクリーム屋に駆け込む。サラリーマンからチビッ子まで。ソウルのアイスクリーム屋は大人気だ。さて、どれにするか。

旅の喪失感。ヨン様との出会い。このやり場のない気持ちをキングサイズのチョコミントにぶつける。シャーナーラッ!キングサイズ3000ウォン。安い。ちなみに、これで韓国滞在4個目のアイスである。

14時 東大門市場にて。

これほど広大な建物を見るのも初めてだが、これほど沢山の工業製品を見るのも初めてだった。縦横100m程はありそうなフロアで所狭しと並んでいるのは、実に意外なものだった。

分かり難いかもしれないが、全てボタンだ。ボタンのフロアだったのだ。なぜこれほどのボタンを売る必然性があるのかは分からないが、とにかく、このフロアだけでも数千万個のボタンが売られているのだ。ボタンラビリンス。

ボタンラビリンスからようやく逃れた私は、気付けば、バイクラビリンスに埋もれていた。ボーとしていると物に囲まれている町。東大門市場。まさしく市場と呼ぶに相応しい町だ。物の価値や認識を改め直す。

15時 東大門市場にて。

そろそろ空港に向かわなくてはならない時間なのだが、気が付けば、膨大な靴に囲まれているのだった。本当にここはラビリンスである。このままでは帰れなくなってしまう!誰か!オルマエヨー!

17時 仁川国際空港にて。

なんとか空港に到着。とりあえず、ビピムパムを食す。空港だけあって、日本人を多く見かける。そう言えば、今回の旅では日本人に全く出くわさなかったが、この人たちは一体何処にいたのだろうか?

18時 仁川国際空港にて。

そろそろフライト時刻。憔悴しきった私がそこにはいた。とりあえず、何も言い残すことはない。日本の喧騒など屁でもないだろう。

7月30日(木)

とまあ、2日間にわたって、韓国訪問記を見ていただいたが、見ると聞くのでは大違いなので、2時間足らずで行ける身近な海外旅行ですから、皆さんも是非行ってみると良いと思う。

ちなみに、今回の旅は3泊4日でトータルの旅費は5万もかかっていない。時期やホテルを吟味すればもっと安く行くことは充分可能であろう。下手な国内旅行よりは経済的だ。

まあ、とにかく、ビールが安い国は良い国だ。

というか、日本よりビールが高い国を私はまだ知らない。