2011年 9月
9月2日(金)

今夜は、両親が旅行に行ってしまっているため、婆ちゃんのお守りで早めに帰宅した。金曜日の夜だというのに、まあ、仕方ない。

しかし、家に帰るなり、私は愕然とした。

火は点けっぱなし、水は出しっぱなし、冷蔵庫は開けっぱなし、クーラー最強、テレビは爆音。我が家は出力全開営業中だったのだ。

とんでもねえ婆ちゃんだ。いくらアナキストに思想転向した俺でも、婆ちゃんのノーフューチャーぶりには敵わねぇ。婆ちゃん。ぱねぇっす。

9月5日(月)

昨日、無事に下北沢での展覧会が終了した。

ご来場頂いたみなさん。お手伝い頂いたみなさん。本当にありがとうございました。おじさんの夏は終わりました。

おじさんは普通のおじさんに戻ります。

なんつって、一息つこうかと思った矢先、我が国の厚労大臣が国民の健康のため、煙草の増税を口にし、その一方で、環境大臣が福島の放射性物質を日本全土で分かち合おうと、放射能の拡散を口にした。

アナキストに転向した私から、みなさんへ呼びかける。

この政府はダメだこりゃ。つうか、政府っていらなくね?

9月6日(火)

そう言えば、先週末から入れ歯を着け始めた。

まだ、うまくモノを噛めないので、食事中は外している。慣れるために、なるべく装着するようにはしているが、その拘束力たるや、想像以上のものである。

何度、嘔吐したことか。

とにかく、みんな。歯は大切にしなね。

入れ歯おじさんからのお願いだ。

9月7日(水)

日本の若者は人間関係に困窮しつつ、混乱している。

もちろん、これは今に始まったことではない。ただ、今は、既存のパラダイムが崩れ落ちる様を目前に、更に顕在化し、捩れ、変化しつつあることである。

世界は必ず変わるんだ。

一服。一服。

9月8日(木)

職場のベランダで、紫煙を燻らせ一服していると、ブブブブブッっと蝉が飛んできて、私のシャツの袖口にとまった。

すぐに飛び去るだろうと、そのまま煙草を吸っていたら、そのまま蝉はジージーと啼き始めた。

おっ おまえぇ!

夏の終わりに蝉に学ぶ。

9月9日(金)

職場の側でテレビドラマの撮影をしていたので、スタッフの方に

「私でも良ければ、エキストラ出演しましょうか?」と協力を申し出たら

「そういうのありませんから。無理ですから。」と感情の欠片もなく、無碍なく拒絶されるだけだったのである。

まあ、この炎天下。街場でのロケ撮影というのは、時間との勝負なので、大変なことだろう。物見遊山の野次馬や、変な人も多いだろう。というか、俺が変な人だったのではなかったか?

嗚呼。俺って奴は。

今夜こそは他人に迷惑を掛けず、まっすぐ帰ろう。

しかし、ゆうこりん。 共演したかったぜ。

9月13日(火)

入れ歯ができたので、みんなに見せびらかしていたら、無くした。

調子にのると、こういう事になる。

でも、モノを失うことには、もう慣れた。

みんな。歯は大切にな。

9月14日(水)

表現する際に、必ず曝されるのが批判である。どんな表現であっても、これはどうしようもなくつきまとうし、正直、なかなきついものである。

まあ、表現とは大概が既存の何かに、中指立てるような行為なのだから、仕方ないことである。むしろ、批判されないものは表現ではないとも思う。

だから、もうこれ以上、表現なんてしたくないんだ。

欠けた満月を見て、おじさんはセンチメンタルに思うのだった。

秋だ。

9月15日(木)

時々、世界の終わりのことを夢想する。

きっと、世界の終わりは、人類が完全に絶望した時か、完全に充足した時にやって来るのだろう。

だから、みんな、安心しろ。

今のところ、おじさんは絶望も充足もしていない。

9月18日(日)

私が中学校1年。クラスで林間学校のキャンプファイヤーで歌った詩。

尾崎豊のI Love You である。

I love you 今だけは悲しい歌 聞きたくないよ

I love you 逃れ逃れ 辿り着いたこの部屋

何もかも許された 恋じゃないから

二人はまるで 捨て猫みたい

この部屋は 落葉に埋もれた空き箱みたい

だからおまえは 小猫の様な泣き声で

きしむベッドの上で 優しさを持ちより

きつく躰 抱きしめあえば

それからまた二人は 目を閉じるよ

悲しい歌に 愛がしらけてしまわぬ様に

中学校1年。初心な私はこの詩に陶酔した。しかし、私は陶酔した中学校1年の私を否定する。

んなもん、ねぇし。しらける愛だったらすんじゃねぇ! なんてな。

9月20日(火)

ケイト・モスのフォトジェニックぶりに改めて圧巻中のおじさんである。

高校生の頃、僕はあなたに憧れていたんだよ。ケイト。

さて、先日、3・19脱原発のデモに参加させて頂いた。マスメディアではあまり報道されていないが、総参加人数は3万人とも5万人とも6万人とも言われている。

まあ、比較として適当でないかもしれないが、私の実感として、8年前のイラク戦争反対デモに比べたら、圧倒的な切実さ、そして、様々な人たちの自発的な行動を感じることのできるデモだった。

ちなみに、イラク戦争反対デモでは、私の持っていったプラカードが不真面目だと言われ、ムカついてその場に捨てて帰ってきたことは、良い思い出である。

まあ、そんな事はさておき、今回のデモでは、実際、福島の方々の悲痛な訴えを聞くことができ、私は更なる脱原発への闘志を燃やすのであった。

原発なんて、元を辿れば、軍事開発されていたものを、平和利用できるかも?なんてことで始まったものなのだから、きな臭い事だらけだったのである。それを、こんな破滅的な状況まで放置していたことには、自分自身に憤りを感じるものである。

今後も、実行力のある継続的なアピールを粘り強くやって行くことが重要である。しかし、それよりなにより、明日は台風だ。みなさん気をつけてね。

9月22日(木)

心赦せる友人と、ぐへぇ~っと呑んで、ぐへぇ~っと帰ってきて、歯も磨かず、風呂にも入らず、ぐへぇ~っと裸で眠ることが、人間の唯一の怠慢であり、至福なのである。

今なら世界が終わっても良い。

ぐへぇ~。

まあ、唯一、おっぱいパブに行けなかったことだけは心残り。

おっぱいのパブってなに?パラダイス?ユートピア?

9月23日(金)

おっぱいパブに対する妄想が膨らみ、昨晩は、カウンターバーのマスターに「おっぱいダブルで!」と注文する夢をみた。

それじゃあ、おっぱいバーじゃんね。

しかし、今日は一日中ぐ~たらして、良い休日だった。さ~っ!これから夜のおじさんの顔になるぞえっ!

9月26日(月)

まあ、私も10年以上、ネットの世界を見渡してきたサーファーである。

最近は2ちゃんねるも、まとめサイトなどができて、直接覗くことも少なくなったが、まあ、昔に比べ、量的にも質的にも富満な情報が流れていて、大変面白いものである。

2ちゃんねるで言えば、数年前から「ニュー速板」の周辺に住み着く『埼玉のおっさん』と呼ばれる住人がいる。

ネカマとして、かなり下世話なシモネタのレスをするのだが、すぐに『埼玉のおっさん』であることがバレてしまい、他住民から突っ込まれるというお決まりのスタイルを確立した凄いおっさんである。あの2ちゃんねるで。

私も同じおっさんとして『埼玉のおっさん』には見習うべきところが多い。

『埼玉のおっさん』のまとめサイトなどもあるので、皆さんも一度『埼玉のおっさん』の不屈さを堪能して頂きたいと思う。

9月27日(火)

最近、デモンストレーションが流行っているようである。所謂、デモというやつである。今年は私も脱原発系のデモに何度か参加したが、他にも、様々な訴えを掲げるデモが巷を練り歩いている。

デモに馴染みの薄いロストジェネレーションには、あのような集団行動に嫌悪感を懐く方も多いかもしれないが、私はいかなるデモも奨励したい。

ただ、最近、大規模化するデモにより、個人的な損害を被る方がいるんではないかと心配している。特にデモは繁華街近辺で行われるからだ。

例えば、初めてのデート。オープンカフェでロマンチックな時間を過ごしている最中に、デモ行進が目の前を通過したら、そりゃあもう、ロマスの欠片も無いことだろう。だから、少なくとも、健全な恋愛を育もうとしている人は、デモ情報をチェックしておいた方が良いだろう。

まあ、当面、土日の日中は要注意だぜ。

9月28日(水)

大人になると、外出時の持ち物が多くなる。

財布やら携帯やら煙草やら時計やら眼鏡やら入れ歯やら、なんやらかんやら。仕事となると、更に持ち物は多くなる。自分が何を持っているかも把握しきれない。

だから、もう、俺は何も持ちたくない。必ず何かを忘れてくるからさ。

小学生の頃は、着の身着のまま出かけられたもんさ。

9月29日(木)

友人からお古のペンタブレットを頂いた。今までちゃんと使ったことが無かったが、これまで、マウスでチマチマやっていた作業が滑稽に思えるほど仕事が捗る。

ペンタブは凄い。そして、譲ってくれた友人に謝々。

ところで、凄く話は変わるんですが。みんな、実のところフェイスブックやツイッターに飽きてるでしょ?ちなみに、おじさんはもう飽きてしまった。

本当は、追いかけきれないんだけどね。

9月30日(金)

私は昔からよく寝惚ける方だった。もちろん、今も寝惚ける。ただ、並大抵の寝惚けではない。寝言だけではなく、目を開いていたり、動き出したりもするらしい。

私自身は寝ているので、何も覚えていないのだが、昔、同じ部屋で生活していた弟からは、昨晩は「オレのアイス!」と怒鳴られたとか、朝方に「いらっしゃいませ~」と言って起き上がったなどという証言があがっている。

当初は、弟の虚言かとも思ったが、修学旅行などで同部屋の友人達から私の寝惚けぶりを指摘されたので、やはり、寝惚けているようなのである。

夢遊病なのか。まあ、今のところ、歩き出したりしていないようなので善しとしよう。寝ている時も忙しないおじさんなのである。