2017年 7月
7月2日(日)

忘れもしない2年前。

娘が産まれた日のことである。

21時過ぎに家に帰ってきたが、疲れ果ててしまって、夕飯の準備をする気力も出なかった。

近くの居酒屋で一人祝杯を挙げるのも良いかと思ったが、酒を飲む元気も出なかったので、結局、ラーメン屋で夕飯を済ませた。

ラーメンを食い終え、家に帰る道すがら、こんな晴れやかな日だというのに、俺の晩餐は何と貧しいのだろうかと嘆いたものである。

時は移ろい、昨日のこと。

久しぶりに外で飲んだ後、小腹が空いたのでラーメン屋に寄った。

ラーメンもかなり久々であったのだが、そんなことにも気が付かずに麺を一口をすすってみて、その旨さに絶句した。

ラーメンという食べ物が当たり前すぎて今まで気が付かなかったが、ラーメンとはこんな豊かな食べ物だったのか。

時が変われば、気も変わるものである。

7月3日(月)

今まで勝手気儘に呑んできた酒なので、こんなことを私が語るのは烏滸がましいのだが、齢三十七の身としては、人前であまりみっともない呑み方や酔い方はしたくないものである。

もちろん、前述の通り、私も数多くの失敗を繰りかえし、数多くの人に迷惑をかけてきたが、そこから色々と学んでもきた。

次第に物事の分別もつくようになり、歳相応に呑めなくなり、そもそも、酒宴の機会自体が減っている。

だから、若い頃のように前後不覚という状態にはならないが、それでも少し呑みすぎてしまう時がある。

宴席を最後まで楽しむには、次の日に残らないぐらいの感じが一番良いのは分かっているのだが、ついつい深追いしてしまうことがあるのだ。

もちろん、そうなるには相応の理由があり、色々と思うところもあるのだが、本当に酒を楽しむためには、このあたりが今後の課題になってくるのだろう。

しかし、そんな悩みが馬鹿馬鹿しく思えるほどに、今まで私は数多くのトンデモない酒乱たち(私も含め)に出逢ってきた。

それはそれで、懐かしく、楽しく、儚い想い出として、私の身体の奥底に深く沁み渡っているのも確かなのである。

7月4日(火)

庭の雑草対策にセダムとワイヤープランツを植えているのだが、予想を遥かに超えて綺麗に生い茂っている。

おかげで今年も雑草取りはしなくて済みそうだ。

もう少し手をかければもっと美しくなりそうなのだが、ちょっとその時間が取れないのが残念なところである。

梅雨の嫌なこの時季に、唯一楽しみな事柄なのである。

しかし、傘ってなんであんなに邪魔なんだろうか。

7月5日(水)

台風一過で素晴らしい空模様である。

こうやってどんどん夏になっていくんだろうな。こんな私でも少し気分が踊るようである。

さて、話変わって。

今までの娘は、生物としての本能的な反射行動によって、身体や能力の発達を遂げてきた。

例えば「つかまり立ち → つたい歩き → 歩行」という成長は、いわば生物的な成長過程である。

しかし、最近の娘は、人間としての社会的で心理的な、心の発達が見られるようになってきた。

例えば「靴を履かされる → 自分で履きたい → 自分で履く」という成長は、いわば人間的な成長過程である。

だが、生物的成長が非可逆であるのに対して、人間的成長は可逆なのである。

例えば「自分で靴を履く → 履きたくない → 履かせて貰いたい」という成長が起こる。これまでの成長と逆行するようなことが起こるのだ。

つまり、何が言いたいのかというと。 人間って面倒くさいよな。

7月6日(木)

娘の保育園では自転車の鍵の盗難事件が相次いでいる。

送り迎えの際、親が保育園の前に鍵を付けたまま自転車を置いておき、子どもを預け(または連れて)保育園から出てくると、自転車の鍵が無くなっているのである。

なんとも姑息で薄気味悪い事件である。

今は、朝夕の登下園時には園長が警備に当たり、我々も自転車の鍵をきちんと抜くように指導されているが、そんな対処で解決する類のものでも無いような気がしてならない。

こうした嫌がらせのような事件は、鍵が駄目ならまた別の物が標的にされるだけだ思うのだが、その対象が子どもたちに向かうことだけは避けたいところである。

ちなみに、私の推理では保育園に不満を持つ関係者か近隣住民の犯行だと踏んでいるのだが、どうだろう?

ちなみにちなみに、一番センセーショナルな幕引きとしては、こんな事を書いている私が犯人だった。なんてな。

しかし、あらゆる意味で、あらゆる場面で、子育てしずらい薄気味悪い世の中になってしまったものである。

7月7日(金)

七夕か。

天の川なんて見た記憶がないな。

さて、こないだ娘が風邪をひいた時に、私も少しもらってしまったようで、鼻風邪のような症状が出ていた。

熱も出ないので放っておいたのだが、ぜんぜん治らず。むしろ、頭痛や耳痛や微熱といった症状が出てきたので、昨日、病院で診てもらったところ、副鼻腔炎と診断された。

初めて聞く名であるが、症状としては娘と同じで、子どもの場合は中耳炎まで発展するそうだ。出された薬も娘とほぼ同じだった。

そう考えると、小児科の医師というのは症状を訴えられない子どもの病状を的確に判断しているんだなと感心する。

そんなわけで、ここのところ一家揃って色々な風邪をひくので、風邪や病院や薬の知識が豊かになってきている。

できることなら、もうちょっと文化的な知識や経験を豊かにしたいものなのだが。

天の川。

見てみたいな。

7月8日(土)

美術の大学を卒業しているにも関わらず、大変恥ずかしいことなのだが、私は近代絵画(史)に弱い。新古典・ロマン・写実・印象と言われる主義派閥の西洋絵画は特に苦手である。

ただ、そんなことなど関係なく、私が美術の大学を出ていることを知ると、そうした時代の主義派閥の西洋絵画の話を持ちかけてくる年配の方は多く、そうした方に限って、私よりも遥かに深い知識を持っていらっしゃるので、とても情けない対応しかできず、申し訳なく思う。

もちろん、普通の人よりは少しは知識はあるし、実際に観たりもしているのだが、いまいち思い入れがな。。。

なので、申し訳ないが、ある程度私が得意とする中世か現代美術の話に逸らすか、相手が納得しそうな錦絵・浮世絵の話に展開することでお茶を濁している。

何ごともやっぱ思い入れなんだよな。

7月10日(月)

昔、「りぼん」で連載されていた『お父さんは心配症』という岡田あ~みんの漫画をご存じだろうか? テレビドラマにもなったので名前ぐらいは知っているという方も多いと思う。名作である。

簡単に言えば、一人娘を想うあまり、パラノイアを肥大させ、エキセントリックな行動に走る父親の姿を、面白可笑しく展開したギャグ漫画である。

当時は、そんな異常な父親の行動を馬鹿らしく見ていたものだが、なんだか最近、私が「心配症な父親」として周りから見られているようなのである。

奇しくも主人公の家族が「佐々木家」なんだよな。

今は娘も小さいので、気を付けなくてはならないことが多く、それなりに世話を焼いているだけなのだが、妻からも両親からも弟からも「ちょっと心配しすぎじゃない?」と、なんだか「やり過ぎな父親」のように映っているようなのだ。

うぅぅ~むぅ。

ドライでクールな父ちゃんをしているつもりなんだが。

過保護なのか? 娘依存なのか?

『お父さんは心配症』 読み返してみるか。。。

7月11日(火)

つい最近、旧知の友人が年来の宿望であった道に踏み出すべく、情熱を傾けていた仕事を辞め、僧門に入った。

つい最近、会社の上司が年来の宿願であった道に踏み出すべく、役職就きの仕事を辞め、カナダに移住した。

所謂、一念発起というやつだ。

人というものは、常に現状の自分とは違った可能性を持つ自分を意識し、そうした自分に憧れながら生きているものだ。

しかし、現実はこれまで積み上げてきた今の自分の現状を生き抜くことに精一杯で、よほど大きなきっかけが無い限り、自らの生き方の転換や変換といった、違った可能性に挑むことはなかなかできることではない。

でも、こうも目の前でまざまざと見せつけられるとな。

ウズウズウズ。。 ウズウズ。。 ウズ。

はて? 俺には何の可能性があるものか?

7月13日(木)

長らく懸案であった、このサイトのリニューアルに本格的に踏み出すぞぉっ! 元気ですかぁっ!

ネットへのアクセスがモバイルかタブレットが主流という時代に、このサイト設計は完全にパソコンを前提にしているため、使い勝手が相当悪い筈なのである。

「筈」というのは、私自身がモバイルもタブレットも持っていないため、使い勝手などぜんぜん分からず、なかなか当事者意識を持てなかったのである。

ごめんなさい。

ただ、リニューアルするからには見た目だけでなく、中身のシステムとデータベースの構築なども考えているのだが、このサイトの膨大な記事(中身は無いのだが)の移行が大きな問題になる。

うぅぅぅ~む。

まあ、地道な試行錯誤を少しずつ、コツコツ、シコシコ、ムニュムニュっと進め、年内ぐらいを目処に、何とか形にできれば良いかなと思っているところである。

元気ですかぁっ! 暑いですねぇっ!

7月14日(金)

友人が子ども連れで旅行をしているSNSの投稿をしていた。

素直に「ああ、いいなあ!」と思った。

しかし? はて? 私も娘を連れて旅行をしている筈だが? はて? 何処へ行ったんだったか?

よくよく思い返してみると。

軽井沢に白馬に石垣に福岡に箱根。 そんなもんか。

いや、充分だよな! 充分行ってる!

娘が産まれて一年半。むしろ、出不精の私としてはかなり出ている方である。ちなみに、娘がお腹にいる時にも香港と札幌に行っているのだ。

その辺りの旅行の記憶が曖昧なのは、楽しむというよりも、家族の旅の安全を守るため、色々と必死になっていたからだと思う。

父ちゃんは気を張るのだ。

実はまた今度、小旅行の予定があるのだが、その時は義妹夫婦も一緒なので、ちょっとはのんびりできるかな?

そろそろ父ちゃんも旅を楽しみたいな。

7月17日(月)

明日まで休みをとって旅行を計画していたのだが、娘が熱を出してしまい中止になってしまった。

ぅんもぉ〜っ!

というわけで、酷暑の3連休は娘の看病だけで終わった。

たしか、ゴールデンウィークも妻の看病と娘の面倒をみるだけで終わってしまった気がする。

最早、宿命だな。修行だと思って精進しよう。

さて、そんな看病に明け暮れる日々の中で、テレビの無い我が家の唯一の息抜きはラジオである。

しかし、今日は海の日の特番をやっていて、オンエアされる曲が我が世代(90年代)に限定したものばかり、企画内容も確実に我が世代(90年代青春世代)を狙っていることが明白だった。

ここまで露骨にターゲッティングされると萎える。

おかげで、頼みの綱のラジオでは息抜きにならず、腰痛と肩凝り、そして、鬱憤を溜め込む3日間となってしまった。

こうした日々の積み重ねが、男を中年へと誘うのだな。

気をつけよう。

7月18日(火)

仕事などで、モデペを盛った時の色斑のデザイン処理をパソコン上で再現したいんだよな、なんて思って、ググってみると「Tips」と呼ばれる無数の「技」がヒットする。

下手をすると「Tutorial」と呼ばれる「心得」のようなものまであって、様々な場面におけるデザインのイロハが紹介されており、ググれば何でもできるんじゃないかと錯覚する。

うぅ~むぅ。

まあ結局は、どの「技」も「心得」も上手くいかないので、独自の方法でやるかアナログ(手仕事)で解決することになるのだが。

うぅ~むぅ。

実は子育てにも同じような「技」や「心得」を紹介するWebサイトが無数に存在して、ある時期に藁にすがる思いで片っ端から見ていたが、結局、上手くいかない事が分かった。

そもそも、そんなもので上手くいくわけがないんだよな。

やっぱ、こういう事は、自分自身で試行錯誤するか経験者や専門家に意見を仰ぐのが一番の早道なんだよな。

7月21日(金)

我がオールドスクール。青春の90年代。

それはテレビドラマ全盛期の時代でもあった。

すてきな片想い

刑事貴族

世にも奇妙な物語

101回目のプロポーズ

しゃぼん玉

東京ラブストーリー

愛という名のもとに

素顔のままで

二十歳の約束

ひとつ屋根の下

高校教師

あすなろ白書

振り返れば奴がいる

家なき子

人間・失格

29歳のクリスマス

アリよさらば

若者のすべて

君といた夏

愛していると言ってくれ

未成年

僕らに愛を!

ロングバケーション

古畑任三郎

ピュア

ラブジェネレーション

バージンロード

踊る大捜査線

白線流し

ショムニ

聖者の行進

魔女の条件

当時、私が見ていたものだけでも、上にあげたぐらいは簡単に思い出せる。主題歌や台詞も込みで鮮明に思い出せるが、やはり、90年代初頭から中盤のもの(左列)の方が印象が強いな。

これでも私は見ていない方で、クラスの話題についていけないことが多々あった。

今考えると凄い時代だよな。

娘の思春期はいったいどんな時代になっているんだろうか。2030年前後だな。ちょっとクラクラするほど先の話しのような気もするな。その頃、俺はどうなっていることやら。

7月24日(月)

昨晩、ボクシング軽量級のトリプルタイトルマッチが、我が家からほど近い体育館で行われ、贔屓にしている船井龍一選手が日本タイトルの初防衛に臨むというので、私も勇んで応援に行ってきた。

船井選手はラフなスタイルの挑戦者を相手に自身の持ち味がなかなか活かせず、バッティングによる負傷によって7Rで試合続行不能となったが、判定によりなんとか勝ちを納めた。

初防衛を果たしたものの、船井選手の持ち味である美しいボクシングを見ることができなかったのは残念だった。

などと解説してみたが、正直、ボクシングは門外漢なので、だいぶ的を外したことを言っているんだと思う。

ただ、その後、二試合位の世界タイトル戦を見てみたが、美しさでは船井選手のボクシングの方が上だと思ってしまうのは、門外漢故の未熟な錯覚か、はたまた浅墓な誤解か、そもそも見当外れなのか。

まあ、しかし、門外漢だから言わせてもらおう。船井選手のボクシングはジジ・ハディットより美しい! 次回こそは、あの美しいボクシングを是非とも見せて頂きたい。

ん? 例えが変? 門外漢だからな。

7月25日(火)

頸が痛い。腰も痛い。

これから娘のお迎えかと思うと、とても気が重い。

大人しくしてくれるだろうか。

抱っこをせがまれないだろうか。

父ちゃんは壊れてしまうかもしれません。

頼むぞ。娘。

7月28日(金)

今週、母離れの特訓として、私が娘と一緒に寝ている。

娘が何かの拍子で深夜に目覚めた時、隣にいるのが私だと分かると、もの凄く不満気な表情をして、ふて寝するように再び眠る。

その姿は、なんとも言えず、可愛いものである。

しかし、あれだな。

たとえ可愛い娘と一緒であろうとも、寝る時は一人が一番だな。

娘もそう感じてくれるようになれば、特訓成功だ。

7月29日(土)

土曜なのに仕事。 仕事なのに土曜。

まあ、そんな時もある。

以前は、何で土曜に仕事しなくちゃなんねぇんだ! なんて憤ったりしていたが、最近は、土曜の仕事がちょっとした息抜きになっていたりする。

というのも、土曜日は会社に人がいないので、好きな音楽を聞いたり映画を観たりしながら、自分のペースで仕事ができるのだ。

もちろん、仕事なので気も張るし疲れるのだが、家で娘と一緒にいるよりは、よっぽど自由で気楽なのである。

娘よ。 ごめん。

しかし、仕事が息抜きになるなんて、考えもしなかったことだ。

そんな風になってしまった自分が、なんだか哀しいな。