2011年 6月
6月1日(水)

午後は休みの水曜日。気楽である。

人間1日4時間ぐらい働けばいいのではないだろうかと思ってしまう。

さて、大正生まれのウチの86歳になる婆ちゃんが「入梅だ!入梅だ!」と喜んでいる。何が嬉しいのかは不明である。大正浪漫は理解不能だ。

あと、婆ちゃんは、最近、ウチの裏の家に生っている果実が気になって仕方ないようである。しきりに「あの黄色い実は何だろう?」と孫である私に問いかけてくる。

しかし、意地悪な孫は「何だろうね?マンゴーじゃない?」などと適当な答えを返す。婆ちゃんは「はぁ?マンコー?」などと困惑し、納得いかない様子である。

正解は枇杷なのだが。

とまあ、意地悪な孫と、能天気な婆ちゃんは、今日も元気に生きている。

6月2日(木)

梅雨の雨が滴る、夜の暗闇の中、蛙たちが跳び交うウチの庭。

奴ら動くものに反応して跳んでくるので、危うく踏ん付けるとこである。

ゲロゲ~ロ。

さて、'00年代半ばに公開され、世界的にも話題になった3本の映画がある。「ロスト・イン・トランスレーション」 「バベル」 「キル・ビル」

いずれも日本が舞台になった映画である。

私は、この3本の映画に呼応して、西欧諸国における日本への新たなオリエンタリズムが始まったと考えている。ネオオリエンタリズムだ。

実際に、’00年代半ばから現在までの日本の外国人旅行者は約2倍に増えており、9万人に手が届きそうなほどである。

まあ、だからなんだと言われると、なんなんだが。

異国の美男美女が日本に来てくれると、おじさんは嬉しい。その為にも、早く原発事故は終息させ、原発からの撤退を進めて貰いたい。

ゲロゲ~ロ。

6月3日(金)

我が国の総理大臣の迷走ぶりは、目に余るものがある。

まあ、こんなテロテロのおじさんが言うのもなんだが、敢えて高校の後輩として言わせて頂こう。もうちょっとしっかりしてくれよ先輩。

さて、明日は昼から下北沢のギャラリーで企画展示の打ち合わせ。夜は六本木でイベント企画の顔合わせ。なんだか、仕事よりも仕事らしい週末である。

テロテロなおじさんながらも、企画の成功を目指し、できる限り尽力したいと思う。詳細決まり次第、この日記でも告知しますので、みなさんも是非御出で下さい。

さあ、明日に備えて、呑みにでも行くか~!

6月6日(月)

下北沢では充分に期待され、六本木では様々な才能と出逢い、代官山では秘密倶楽部を発見し、新宿では笑いながら泥酔する。

そんな充実した週末に、痛感するのは、自身の体力の無さである。

おそらく、私の周りでは、これから何かが大きく動き始めるだろう。突っ走るしかない状況で、果たして私は突っ走れるのか?

まあ、そんな体力への一抹の不安を感じるおじさんだが、とりあえず、企画書を作ろう。体力は無いが、待ってろよ。世の中。

6月7日(火)

大学生がtwitterで4万フォローされ、下手な著名人より注目される時代である。おじさんがいくら呟いても到底そんな影響力は持てないであろう。凄い世の中になったものだ。

さて、最近、自身にちょっと疑いを感じていることがある。

私はもしかしたらバイセクシャル(両性愛)の気があるのではないかという疑惑である。

まあ、私には愛すべきSteady(女性)がいるし、彼女への愛が揺らぐことはないので、まだ確信を持って言えることでは無いのだが、なんだか、ちょっと怪しいのである。

ただ、それが確信になったとしても、恋愛の選択肢が増えると言うことは悪い事ではない。人間的な深みも更に増す事だろうし、彼女への愛も更に深まる事だろう。

バイセクシャル・バーコード・ダンディ。

おじさんはおじさんなりに、大人の階段を着実に登り、広げている。

6月8日(水)

日本でも、もうだいぶ一般化してきた、twitterやfacebookなどの瞬発力のあるSNS。そして、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの携行力のあるPDA。

まあ、サイバーパンクとまではいかないが、そこで描かれてきたネットワークやテクノロジーが現実のものになろうとしていることを如実に感じる。

しかも、実際、それらを媒介としたサイバーカルチャー的なソーシャルムーブメントが北アフリカで立て続けに起こったことは大きな出来事であった。

もちろん、それ以外にも様々なムーブメントが今も瞬時に発信されている。

まあ、そんな時代。サイバーオジサンを自称する私は、とりあえず髪型だけでもサイバーに。テクノカット又はツーブロックを奨励していきたいと思う。まあ、サイバーカルチャーには直接関係無いのだが。

6月9日(木)

今は亡き爺ちゃんの育てていた薔薇が庭に咲き乱れている。ご存知かもしれないが、薔薇は丹念に育てなければ、なかなか花を咲かさない。

爺ちゃんが死んでからというもの、誰も手をかけず放置されていた薔薇は、この間、一度も花を咲かせることはなかった。

どうしたんだ爺ちゃん!

しかたがない。明日は薔薇の花を胸ポケットに挿して出掛けるよ。そして、薔薇の花の似合う可愛い女の子を見つけて渡してあげよう。

そういうことだろ?爺ちゃん。

6月10日(金)

今朝、通勤途中、小学生から傘で狙われた。

今回はなんとか持っていた鞄で防ぐことができたが、最近、こうした小学生からのオヤジ狩り被害に遭っている。

訳の分からない呪文を唱えられたり、幾何学模様が描かれた紙切れを渡されたり、特攻の体当たりをされたり、指をさされてクスクス笑われたり。

まったく。俺が何をしたというのだ。

さて、そんなオジサンは、明日、新宿の脱原発デモに参加した後に、恵比寿で先輩の結婚式パーティに参加する。

小学生に狩られている場合じゃないのだよ。オジサンは。

腕白でもいい。放射能には当たらないで育ってくれ。

6月12日(日)

昨日は脱原発デモのあとに、中学時代の先輩の結婚パーティーに参列させて頂いた。

中学生の頃、私は先輩たちから「Z(ゼット)」というニックネームで呼ばれ、可愛がって貰っていた。由来は不明だが、ちょっとカッコいいニックネームである。

昨日も、久しぶりに先輩たちから「Z」と呼ばれ、なんだか、中学生に戻ったような気分であった。

中学生ぐらいの頃の先輩たちは、だいぶ大人にみえたし、実際、頼りにもしていたし、お世話にもなった。ひどい中学校だったが、私には人間として信頼できる先輩が沢山いたのだ。

私も信頼される先輩になりたいものである。

6月14日(火)

じっとりとした時季である。どうにも過ごし難い。

さて、私が利用する電車は沿線に大きな催物会場があり、少し前から就職活動の学生が目立つようになってきた。今年から少し遅くしたようである。

しかし、学生たちは申し合わせたように、皆同じ真っ黒なスーツに白いYシャツである。言わずもがな、クールビズとはいえサラリーマンの方々も同様である。

もちろん、私も昔はそういった中にいたわけで、時と場合によっては私だってスーツを着なくてはならないこともあるが、こうして傍から見ていると異様である。

おそらく、一介のサラリーマンが、こんな時季にまでスーツのジャケットを着込んで仕事をしなくてはならないのは日本ぐらいではないだろうか。

しかも、そこには妥当性や必然性は無い。自明性だけのコスチュームである。暗黙の人民服だ。

ミシェル・フーコーが『監獄の誕生』の中で示した、個人が自らを服従させ支配させられる「生政治」の浸透そのものだと私は感じてしまう。

しかし、これからの時季、私は汗や脂や色々な分泌物によって髪の毛がペットリしてしまうので、ケアが大変だ。やはりバーコードヘアはバシッと見せたいものである。

6月15日(水)

私は意図せずに、他人の気持ちを逆撫でたり、踏みにじったり、傷つけたりしていることが間々ある。もちろん、私としては他人の気持ちにできる限り優しくしたいと、常日頃思っている。

しかし、31年生きてきても、このように他人との間合いがいまいち図れないのは、本質的に私が自己本位だからなのだろうか?それとも只の馬鹿か?

まあ、どちらにしろ、そんな駄目な人間ですが、心優しい方は、末永いお付き合いをよろしくお願い致します。

6月16日(木)

大学の頃、御転婆フランス人留学生が、

「世界の!中心を!担うべき!芸術!」

と、日本の女子高生達が叫びながら、応援団風の振り付けで踊るという、馬鹿っぽいパフォーマンスビデオを撮っていた。

私は、このような、馬鹿だけど気高い志が、嫌いではない。

こないだ、その御転婆フランス人から、明日からベルギーのブリュッセルで個展をやるということで、招待された。

「ルパン三世」でしか聞いたこと無い地名である。

まあ、当然、行ける筈も無い。

ただ、ホームページで個展の作品を見てみたが、彼女は、あの女子高生達に叫ばせていたスローガンを、本気で実行しようとしていることが分かる。

おいおいおい!冗談じゃないよ!こっちだって!負けてられないぜ!

俺だって中心になってやる!

6月17日(金)

私が小学校の頃には、夏休に、林間学校という、泊り込みの課外授業があった。

20年近く前のことなので、記憶は定かではないが、印象的なこととして、同じクラスのY君が家庭の経済的な理由で参加できなかったことと、私が寝小便を漏らしてしまったことだけは覚えている。

あまり良い想い出ではない。

まあ、私はそれまでにも各所で寝小便を漏らしてきていたので、あまり気にはしていないのだが、Y君が金が無くて林間学校に来られないという事実には、小学生ながら、かなり衝撃を受けた。

バブル全盛期の頃である。

まあ、そんな梅雨の週末である。

6月20日(月)

今、とある企画のためJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読み返している。'60年代アメリカでは若者のバイブルとなり、主人公のホールデン君はアンチヒーローとして支持され、その後の文学や芸術、映画やアニメーションなど、多岐な分野に大きな影響を与えている。そんな本である。

しかし、日本の我々ぐらいの世代にとって、この本は、その内容よりもジョン・レノンの射殺事件やレーガン元大統領の狙撃事件の犯人が愛読していた本。という認知の方が高いのではないだろうか。

ちょっとあぶない本なのである。

もしかしたら、この本を再読し終えた時、私もちょっとあぶないオジサンになってしまうかもしれないので、心優しい方は、私をしっかりつかまえておいて頂きたい。

6月21日(火)

咳をしたと同時に便が漏れてしまった。もう末期かもしれない。

さて、先日、高校の同窓会に参加してきた。当時の担任教諭も交えたクラス会である。

残念ながら、事前連絡の遅れで、あまり人数は集まらなかったのだが、少人数だから話せるA談やらY談など、所謂、「ここだけの話」ができたので、それはそれで大変有意義だった。

しかし、担任教諭は今年で退任を迎え、同級生たちには役職がつき、新しい家族もできていた。しかも、先生と生徒でキャバレークラブにまで遊びに行った。

我々、ティーンエイジャー達は、立派なアラサーのオジサンになってしまったのだ。そりゃあ、便も漏れる訳である。尿漏れも間近である。

6月22日(水)

「2011年6月25日の午後8時53分、東京の都心から8キロメートル以内で、地震が起きる。マグニチュードは、6・1で、震源の深さは18キロメートル。建物は倒壊し、負傷者も出る。」

「週刊現代」 に凄い具体的な予言が掲載されていた。

というか「週刊現代」を立ち読みしている私も私である。

さて、先日、同窓会の話をしたが、高校の同級生でなかなか面白い生き方をしている子(まあ、もうオバサンなんだが)がいる。

実際、何をやっているのかはよく分からないが、遥かカリフォルニアの地で楽しく生きているようである。下のミュージックビデオ見て頂ければ、その楽しさが伝わることだろう。

まあ、「週刊現代」の予言が当たろうが当たるまいが、その日その時は、私も楽しく六本木で酔っ払っていることだろう。

我々も負けず楽しく生きていこうぞ!

6月25日(土)

本日、18:00より六本木で、とあるバーが出現する。

夢か現か分からないが、1週間だけ、そのバーはオープンする。

有象無象のアーティストが跳梁跋扈するそのバーで、私は酔っ払い常連客をやっているので、皆さん、お越し頂けると幸いだ。