7時から9時ぐらいの2時間が朝の通勤ラッシュのピークである。駅からほど近いウチの前も出勤する人々が慌ただしく往き交う時間だ。
そろそろ私もこの流れの仲間入りかと暗い気持ちになりつつも、私は寝巻き同然の姿で道の掃き掃除やゴミ出しを精力的にこなす。
さて、私の知り合いには自分の腕一本で生きている自営業のアニキたちがいる。その職能は様々であるがアニキたちは一様に気前も気立ても良い朗らかな男たちである。自らの能力だけで社会に立ち向かっていくということには色々と苦労もあるだろうが、私のような草食的家畜系の生き方とは違う肉食的野生系の自由で奔放なアニキたちの生き方には心底憧れる。
朝の道端で箒を片手にそんなことを考えてしまうのである。
しかし、ウチの前はタバコのポイ捨てが多すぎる。
草食的家畜系の俺もそろそろ激オコですよ。
いよいよ今週一杯で私の主夫生活が終わる。約一ヶ月半。長いような短いような期間であった。
仕事が始まるからといって生活や家事や子育てから離れるわけではないのだが、この間、家の切り盛りをしてきた身としては、妻子を置いて手放しで仕事に出るというのは後ろ髪引かれる思いである。
さて、この主夫業の最中、散発的な空き時間を使って「深夜特急」を読み進めていた。ご存知の方も多いかと思うが沢木耕太郎のユーラシア大陸放浪の旅行記。バックパッカーのバイブルである。
言葉の通じぬ異国を行き先も定めず着の身着のまま気ままな一人旅。残念ながら私はこうした旅をしたことがないし今後もできないと思うが、一人旅だからこその悲哀や喪失を知ることのできるなかなか面白い放浪記である。
あと、本の内容が持つ面白さとは別に、生活の合間の、例えば、皿洗いを終えて読み始めるとカトマンズの冷たい雨に打たれて気落ちし、娘のオムツを替え終えて読み始めるとイスラマバードの暴走バスで手に汗握り、洗濯物を干し終えて読み始めるとミケーネの遺跡の丘からの眺めに見惚れ、などなど、現実と本の内容との跳躍がなかなか面白いのである。
そんな「深夜特急」もいよいよ旅の大詰めを迎えようとしている。おそらく、私の主夫生活終了と同じくして、この放浪の長旅も終わるのだろう。
思えば遠いところまできたものだ。
かつて、人間を椅子にすることによって江戸川乱歩は人々を楽しませてくれたが、いま、下痢によって私は苦しまされている。
乱歩は常識を壊し、私は腹を壊した。
俺っていつもこんな感じだな。
今日は祝日なのか。
なんの祝日だったか?
祝日が日付で固定されていた頃は各記念日の持つ特別感やその季節ごとの趣き、そして、ある種の賑々しさを感じたものだったが、今のようにコロコロと日付の変わる祝日など感慨や意味を失った只の休みに成り下がってしまった。
まあ、しかし、そんな話も私のように祝日も曜日の感覚すらも必要としなくなった生活をしている者にとってはどうでも良いこと。その日その日を精一杯生きる。そんな人も多いのでは無いだろうか。
貧乏人に祝日なんてねぇ!
酒を煽っている時だけが祝日さ!
この週末は寒暖差の激しい妙な気候になるようである。
昔、私は中型のバイクに乗っていたが、ある日、これはもう駄目だなと思った瞬間がある。それはバイクの加速に自分の意識がついていけないことを感じた時だ。信号待ちから急加速で発進した際、マシンはぐんぐん進んでいるのに私の意識はまだ信号待ちをしているのである。これではもうバイクの運転は楽しめない。いや、楽しめないというより、危険だ。
そして、私はバイクを下りた。
おそらく、この週末の気候に私の意識も身体もついていけないだろう。季節に、いや、地球の自転についていけない。
もう、私は地球を下りよう。
ニャン。ニャン。ニャン。
今日は猫の日だそうだ。
さて、育児休暇を終え、仕事に復帰して一週間。すでに世の中の毒気に慣れつつある自分が悲しい今日この頃である。
でも、まだ慣れないことだってある。
世の中のコミュニケーションのスピードだ。
唐突に声をかけられると応対がうまくできない。まず相手が何を言っているのか理解するのに時間がかかる。早口の人だと内容がまったく頭に入ってこない。それから相手の話を理解できても、こちらの言葉や声が出てくるのに時間がかかる。声って出していないと出なくなるんだね。
もちろん、時間がかかると言ってもほんの一瞬のことなんだけど、コミュニケーションって生モノだから、この僅かな間が変な意味を持ったりして妙な感じになってしまう。
まあ、でも、前からこんなもんだったかもしれないな。気にしすぎかな。ニャン。ニャン。ニャン。
サリンジャーの短編集を読んでいたら鬱々とした気分になった。本を読むタイミングにも食い合わせのように良し悪しがあるようだ。サリンジャーは今は駄目。
そういえば最近、沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでいたからなのか、旅行の夢をよく見る。
新幹線でカトマンズに到着したり、イスタンブールでの昼食でラーメンを食べたり、パリ地下鉄スタンプラリーに参加したり、夢なので変なことが色々と巻き起こる。
でも、将来、こんなヘンテコな夢が現実になる時代がやって来てもおかしくないよな なんて、寝ボケまなこで考えるのだった。
そういえば、スマホやタブレットの出現は旅の方法も変えたよね。
現実の方がヘンテコだよな。
以前、シリシリを作ろうとして人参を千切りにしていたら包丁で爪を削いでしまった。
調子にのると必ずこのような結末が待っている。
しかし、あれから一ヶ月以上経つのだが、削げた爪がなかなか元に戻らない。保湿剤や軟膏を塗った上からバンドエイドで保護してみたり、ステロイドまで塗ってみるのだが完治しない。回復の兆しはあるのだが、寸でのところでヒビ割れたりして上手くいかない。
完治不能なほど削いではいないように思うのだが、みなさん、私はどうしたら良いのでしょう?
シリシリを作る時は要注意!
あと、爪ってけっこう重要だ!
*シリシリは絹のように細く千切りにすると旨さが増します
今日は東京マラソンだそうだ。
参加される方にとっては晴天で良かった。関係ない方にとっては交通規制で残念なことだ。
ここまでイベントとして定着したのは凄いことだが、どうせお上りさんが集まって騒いでいるだけだろう、なんて、捻くれることしかできない私は、なんとも貧しい江戸っ子だ。
今まさに参加されている方や過去に参加した事がある方には大変失礼な話だが、まあ、狭量な男の戯言だと思って聞き流してやってください。
てやんでぃ ばーろー ちくしょー!