2018年 10月
10月5日(金)

長々と釜山での娘の右肘脱臼事件を記させて貰ったが、最後まで読んでくださった方は本当にご苦労様でした。ありがとうございます。

さて、事の顛末は書いた内容の通りなのだが、何かの参考にでもなればと思うので、実費の部分を紹介させて頂きたい。

◇ 三育釜山病院(治療処置)
  医 療 費 160000㌆ = 16,000円

◇ 釜山港シッピング・エージェント(各種手配)
  アレンジ費 72㌦ = 8,200円

◇ クルーズ船内メディカル・センター(応急処置)
  医 療 費 95㌦ = 10,800円
  事 務 費 35㌦ = 4,000円

締めて 39,000円 也。費用は全額旅行保険で賄われた。

今回は上記3つの機関で横断的な対応が発生したため、各々から請求を受けたが、単純に病院に行って処置をして貰えば、医療費(治療処置)だけで済んだかもしれない。ただ、外国に出た場合はなかなかそうはいかないこともあると思う。

個人的には1時間以上も無為に待たされ、痛み止めを飲ませるぐらいの対応しかできなかった船のメディカル・センターに、この額を請求されたことは癪だったし、加えて言うと、船のメディカル・センターから釜山の病院に持っていった紹介状(患部や症状や経緯などの引き継ぎ説明書)の内容を確認した際に、患部が「左肘」(正しくは「右肘」)と記載されていたり、転院の理由に「両親がレントゲン撮影を拒んだため」と記載されていたりと、事実誤認だらけで、もしこの文章通りに対応をされていたら思うと冷や汗が出る。こんなのって、医師として致命的じゃないかな。。。ぶつぶつぶつぶつ。。。

何ごとも健康第一だ。

10月9日(火)

またクルーズの話で申し訳ないのだが、今回はちょっと違う話をさせて頂こう。

さて、そもそも我々の乗った船はイギリス船籍の船で、乗組員はほとんどすべてが外国人で、乗客も半分以上が外国人だったため、日本国内を主な航路としていながらも、船内の公用語は英語が使用されていた。

妻は仕事で日常的に英語を使うので問題ない。娘は英語云々以前の問題なので問題ない。問題は私である。

もちろん私だって、小学校から大学まで12年間英語を学んできているので、場所や時間や値段や理由や方法といった5W1Hを確認するぐらいの簡単な質問や応対ぐらいはなんとかなるのだが、問題は英語圏(特に白人男性)に特有の話の端々に挿入される冗談である。

例えば、娘を連れて船内を歩いていると、初老の男性に声をかけられる。

爺 「彼女は何歳になるんだい?」
 私 → 「もうすぐ3歳です」
爺 「可愛いね。私にも同じぐらの女の子の孫がいるんだ」
 私 → 「ありがとう。お孫さんもさぞかし可愛いでしょ」
爺 「もちろん可愛いよ」
 私 → 「私も娘が可愛くてしかたありません」
爺 「娘や孫もそうだが、きっと我々は死ぬまで魅力的な女性に悩まされ続けるんだろうな! まいったな! ワハハハハ!」私の肩モミモミ(←けっこう強め)
 私 → 「・・・・・・」なんと答えていいのか分からず愛想笑い

とまあ、こんな感じで、会話は冗談混じりに推移するのだが、私の場合、この冗談の部分で必ず引っかかってしまって、上手い受け答えができないまま、なんとなく会話が終わってしまうのだ。

この場合は「モテる男の宿命ですよね」なんてことをサラッと言えれば、もっと話しが広がって、仲も深まるんだろうけど、私には死ぬまでそうした受け答えはできそうもないし、そもそも、これって英語力の問題だけではない気がしてきたな。

う~む。


最近、この日記が冗長気味だ。会話で言葉が出ないことと同様に文章が無為に長くなるのは表現力の貧しさの結果だ。気をつけよう。

10月10日(水)

我が家には少女の囁き声のように小さく儚い庭があって、こないだ、そこに少しだけ芝を植えてみた。

最初の頃は、細かく健気に広がっていく芝の成長が愛らしく、毎日のようにその様子を観察していたのだが、夏休みの旅行や長雨のせいで、暫くその存在を忘れてしまっていた。

先日、そんな芝のことをふと思い出し、新たな成長の姿に期待して庭に出てみたのだが、芝はその愛らしい姿からは想像できない醜い触手を伸ばし始めているところで、触手の先を辿ってみると、まるで何かの呪いであるかのように、黒々とした猫の糞が落ちていた。

う~む。

愛らしいものであればあるほど丁寧かつ慎重に観察しないといけないな。

10月11日(木)

野村訓市という人をご存知だろうか?

私はラジオのパーソナリティとして、この人を知ったのだが、ずいぶん独特な話し方をする人だな、というぐらいにしか当初は思っていなかった。

その後、この人が雑誌編集や店舗設計や映画制作にも関わっているらしいことを知り、ずいぶん多才な人だな、と思うようになった。

ところが、更にその後、私が興味を持った雑誌特集や店舗デザインや映画の多くに、必ずといっていいほどこの人が介在していることを知り、何なんだこの人は? と思うようになった。

日曜日の夜20時という特異な時間帯のラジオ番組をこの人は担当しているのだが、娘の寝る前の世話をしながら毎週欠かさず聞いている。

娘よ。どうやら父は、この人に少し憧れてしまったようだ。

10月12日(金)

娘の通う保育園では、毎日、連絡帳のやり取りがある。

朝夕飯の時間と献立内容、入浴の有無、排便の時間と回数と状態、就寝と起床の時間、服薬の有無、体温、そして、子どもの様子や悩みや相談を自由に記入し、保育園からもこれらに対応した内容が記入されて返ってくる。

内容の多くは事実に沿って記入していくだけなので難しいことはなく、毎日、妻と分担して書いているのだが、自由記入欄だけはなんとなく私が書く役目になっている。

120文字程度の短い自由記入欄なのだが、毎日のこととなると、けっこう頭を悩ませることが多く、この日記の内容をそのまま書いたりもしている。

今年の4月からは、クラスが持ち上がって、おじさんの保育士さんが娘の担任になり、その先生が私が記入する内容に熱心に返事(時には欄からハミ出して裏面にまで続く)を書いてくれて、とてもありがたいことではあるのだが、まるで、おじさん同士で交換日記をしているような感じがしてしまい、ちょっと妙な気分なのである。

これって、もしかして、おっさんずラブ?

10月15日(月)

うちの庭に植わっているピラカンサスの木は、この時期になると真っ赤な実をつける。棘が多くて、虫も付きやすく、花の匂いも独特で、何かと扱いづらい木である。

そんな訳で、こんな厄介者は早いうちに伐り捨ててしまおう、などと秘かに企てていたのだが、季節の変わり目の度に四苦八苦しながら刈込んでいるうちに、徐々に木の様子や具合が分かってきて、手入れの苦も少なくなり、けっこう綺麗に刈込めるようになってきている。

そうなってくると不思議なもので、当初の敵愾心もだいぶ和らぎ、今では親しみの情などが見え隠れしたりして。

人間って現金な生き物だ。


※ 以下エログロ注意!
そんなこんなで、こないだも、この木の刈込み作業をしていたら、鮮やかな緑青色をした美しくも悍ましい姿のヒロヘリアオイラガの幼虫(有毒)が枝に付いていたので、あとで生け捕って観察してやろうと思っていたのだが、作業に熱中しているうちに幼虫を真っ二つにチョン切ってしまい、頭の部分だけがゴニョゴニョゴ……、これが本当のエログロナンセンスといった光景を目の当たりにして、久しぶりに総毛立ってしまった。


季節はどうしようもなく秋だ。

10月16日(火)

私が柿の皮を剥いていたら、それを見て娘が「めっちゃスゴい!」と言って驚いていた。

そうか! スゴいか! スゴいだろう!!

ところで「めっちゃ」って? どこで覚えてきてん?

大いなる疑問を抱きながらも、この歳頃の子どもの成長速度に逆に驚かされる父なのであった。

しかし、どんなことにも言えるけど、当事者になってみないと分からないことって実に多いですよね。

今となっては、SNSなんかに自分の子どもの写真を逐次あげてしまう親の気持も理解できるし、この日記だってほぼ育児日記と化してしまってるしな。。。

なんかホントすみません。困っちゃいますよね。見て欲しいっていうより楽しいんです。許してやって下さいね。

10月19日(金)

私という男は、今だに「L-04B」という懐かしのストレート型を愛用しているガラケー使いだが、つい先日プレスリリースされたカード型ケイタイ「KY-01L」には正直心がグラつく。ただし、かつてライターサイズと称され、世界最小の名を恣にした「mova premini-S」を使っていた私としては、まずその操作性(小型化は往々にして操作性を犠牲にする)が気になるところなのだが、その辺りは如何に。

失礼。 ちょっと熱くなってしまったな。

しかし、カード型のモバイル端末って、東京テレメッセージのポケベル「Techno Joker」以来じゃないか!? ん? どうでもいいって?

10月22日(月)

友人が主宰するファッションブランドの展示会を観に行った際にスタッフの若い女の子を友人から紹介されたのだが、少し唐突な感じがあったので、私も彼女も言葉に詰まってしまった。

それに気づいた友人が、すかさず「彼女、◯◯◯(女優の名前)に雰囲気が似てるよね?」と、会話を繋げようとしてくれたのだが、私は彼女をマジマジと見つめて「う~ん、◯◯◯とは少し違うんじゃないかな」と、何も考えずに答えてしまい、更に微妙な間と気不味さが広がってしまうのだった。

最近、私は会話の流れを乱したり止めたりしてしまうことがよくある。

少し昔の私なら「似てないよ。むしろ◯◯◯よりもっと魅力的だと思うよ」(雰囲気のある魅力的な女の子だったことは事実です)と、饒舌とまでは言わないまでも、もう少し会話を上手く膨らませて軽く放り上げるぐらいの能力はあった筈なのだが、ちょっとした世辞すら言えなくなってしまった。

やはり、娘が生まれてから3年近くの日々、大人の社交の場からは久しく遠ざかり、ましてや、若い女の子が集まるような場所(変な意味ではなく)などは無縁となり、会社と家の往復の日々だけでは、会話の能力も落ちていくよな、などと家に帰って悶々と考えていたら、傍で遊んでいた娘が木製の台の角にぶつかって額を深く傷つけてしまい、急遽、救急病院へ連れて行くこととなってしまった。

おかげさまで傷は大したことなかったが、娘よ、すまん。KYになろうがコミュ障になろうが、そんな事はどうでもいいのだ。もう暫く父ちゃんは、あなたの事だけを見て生きていきます。

娘のこととなると長くなってしまう。
気をつけよう。

しかし、会話って本当に難しいですよね。

10月23日(火)

遅刻ギリギリの時刻に家を出る。

駅のホームでオバさんが具合悪そうにしゃがみ込んでいる姿を横目に急いで電車に飛び乗ると、満員の車内では足の悪いオジさんが手摺に寄りかかって辛そうに立っている。

乗換駅ではいつも見かける聾のオネエさんが人混みの中を覚束ない足取りで歩き、大きな荷物を抱えたオバアさんは人の波に乗ることができずに通路で立ち竦んでいる。

始業時間ギリギリで会社に滑り込み、タイムレコーダーに社員カードをタッチする。自分の席につくと同僚との挨拶も早々に済ませ、一心不乱に仕事を片付けていく。

終業時間と同時に走って駅まで向かい、改札で困っている外国人観光客を横目に電車に飛び乗り、人混みを掻き分けるようにして電車を乗り換える。

閉園時間ギリギリに保育園に辿り着くと、娘は熱を出し、鼻水を垂らして待っていた。


誰も救えない一日。

10月24日(水)

保育園のお便りに掲載する子育川柳とその解説文を書いて下さいと言われたので、以下のようなものを書いて提出した。

  「チチンプイ プイのプイ」が 流行中
(我が家では娘の魔法が猛威を振るっています)

ハロウィンという季節ネタと麻疹流行という時事ネタを意識しつつ、音や語呂の楽しさを考え抜いた力作のつもりだったが、五七五になっていないという園長の判断から再提出を要求された。私としては鉤括弧の間合いや拗音の発音なども加味した上での五七五だったのだが。

う~む。

もちろん、解説がないと内容が分かりづらいとか、子育てという主題から少し外れているとか、感染症の流行を盛り込むのは不謹慎とか、そういった事が指摘されるなら理解もできるのだが、とにかく字面の上で五七五になっていないので掲載できないのだそうだ。

う~む。

「そもそも川柳ってものは……」などと言い返そうかとも思ったが、大した問題でもないので事は荒立てず「はい、そうですね」と静かに引き下がろうとしたのだが、「一人だけ皆さんと違うのも嫌でしょうから」とボソッと言われて無性に腹が立ってしまった。

う~む。

そもそも、同じようなものを見て面白いのだろうか? そもそも、違っていて誰か困るようなものなのか? そもそも、違いを気にするならなぜ川柳など書かせたのだ?

う~む。

最近、一義的で病的な差異の固執によく出くわしますけど、何なんでしょうね。

また長くなってしまった。いかんいかん。

10月25日(木)

10月も終わりに近づき、これから季節はどんどん冬の様相を強めてくることだろう。

ストーブやコタツを出さなくてはならないし、鍋物や熱燗なんかも恋しくなってくるだろう。ちょっと早いかもしれないが、年末年始の予定もそろそろ考えておかないといけない。

いよいよ冬がやってくるのだ。

そして、今年こそは、お気に入りのコートとジャケットを、必ずや、絶対に、手に入れる固い決意を胸に、この冬を迎える所存である。

即行即断即決。

10月27日(土)

季節も移ろいはじめてきたので、今年はちょっと素敵な服でも買ってみようかしらん、などと思い、雑誌やネットや街ゆく人々を観察して参考にしようとしてみているのだが、今の流行りのファッションのポイントがいまいちよく理解できずに困っている。

今までは、どんなに奇抜なものであっても、文化的な斬新さとか造形的な面白さといったものを私なりに読み取ることができたし、私なりにできる範囲でそうした流行を取り入れることもできたのだが、今年は正直お手上げである。

これって、もう私が完全に “ そうした領域 ” に入り込んでしまったせいから来るものなのだろうか?

“ そうした領域 ” については深く問いかけないで貰いたい。

10月30日(火)

最近の娘の気まぐれがちょっと手に負えない感じになっていて、この子は果たして真っ当に育っていくのだろうか? と本気で考えてしまうほどである。

そこで、保育士さんや友人や近所の人や会社の先輩や八百屋のおばさんや病院の先生やタクシーの運転手まで、とにかく片っ端から(もちろん育児経験者)相談しているのだが、すべての人から「今だけだよ(笑)」と一様の答えが優しい微笑みとともに返ってくる。

そうか。 今だけなのか。。。

とまあそんな訳で、皆の言葉を素直に信じて少し安心していたところだったのだが、つい先日、保育園から自転車で帰る際に、途中で歩きたいと騒ぎ始めた娘を仕方なく自転車から下ろして歩かせてみたところ、履いてた靴を放り出し、手も繋がずに、商店街のど真ん中を堂々と裸足で闊歩し始めるのだった。

う~む。 今だけ。。。

この時は、たまたま知り合いが通りがかったので、なんとか事なきを得た(自転車に荷物を満載してたのでかなりピンチだった)のだが、あとどれくらい「今だけ」は続くのだろうか。。。

ちなみに裸足といえば、中島美嘉、鬼束ちひろ、矢井田瞳、Cocco、元ちとせ、一青窈、Bjork、そして、ゲン といったところか。

う~む。。。

10月31日(水)

「Trick or Treat?」というよりは「Treat Me!」な感じのオジさんである。

ん? オジさんが気持ち悪いことを言ってんじゃねぇ!って? 最近は何でもハラスメントになっちゃうからな。。。気をつけよう。

さて実は、ハロウィンと言えば、映画『時計じかけのオレンジ』の主人公アレックス君がリーダーをやっている極悪非道悪友チーム “ ドルーグ ” の仮装(ただのコスプレか?)を娘と一緒にするのが、私のひそかな夢だったりする。

もちろん、今年やったっても良かったのだが、今の娘は正真正銘極悪非道なので仮装にならない。おそらく、映画のように私がステッキでぶっ叩かれて本当に「Treat Me!」になっちゃうのが関の山だ。

だから、もう少し娘が大きくなってからにしようと思う。父ちゃんだって仮装を楽しみたい。楽しみは後にとっておいた方が良いのだ。