2021年 3月
3月1日(月)

つかまり立ちをはじめた娘が悪戯をするからと、娘の手の届かない屋根裏部屋に移していた9号鉢(まあまあでかい)の観葉植物、テーブルヤシを約四年ぶりに居間に戻した。

なかなかいい光景だ。

ついでに、庭で野生化しているハゴロモジャスミンやヤドリフカノキ、ワイヤープランツなどを剪定し、水差しにして食卓に置いてみたら、更にいい光景になった。やはり、緑のある生活はいいものだ。無事に発根してモサモサ増えてくれることを祈るばかりだ。

あと、これを機に、庭にほっぽりっぱなしになっている鉢植えの整理や多肉植物の世話も再開しようかと思う。

ようやく、私にもこういう余裕が出てきたのだ。




もっと余裕ができたら、大ぶりのネムノキ(エバーフレッシュ)だとか、繊細なホウライシダ(アジアンタイム)とかにも挑戦してみたいと思っているのだけど、いいですかね?

3月2日(火)

もうしっかり春の雨という感じだ。

先週あたりから徐々に増えてはいたのだけど、昨日から朝の通勤客が一気に増えた感じがする。座って通勤することはもう難しいかもしれない。

さて、昨日の夕飯時、娘が保育園で起きたちょっとした事件の話をしてくれた。

友だちが昼食のカレーを服にこぼしてしまい、流しに服を洗いに行こうとしていたのだけど、その汚れが流しで洗って落ちるようなものではなかったので、洗うならお家の洗濯機で洗った方がいいし、まず汚れた服を着替えたほうがいいよと助言をしたら、友だちが泣いてしまい、とりあえず謝ったのだけど、友だちが泣いた理由がなんだかよく分からなかったのだそうだ。

正直言って、この事件の内容よりも、この内容を的確に解説した娘に驚いてしまった。

もうしっかり五歳の娘という感じだ。




通勤客で圧倒的に増えたのは、スーツ姿の不機嫌な男性たちだ。おかげで車内が暗く、殺伐とした雰囲気になって、気が滅入る。コロナ禍による数少ない恩恵も、これで終わりかもしれないな。

3月4日(木)

よく娘は保育園の友だちに手紙を書いて持って行く。

内容は他愛もないものだけど、お気に入りのシールを張ったり、可愛いイラストを描いたり、面白い折り紙を添えたりと、手紙を貰った相手が楽しめるよう、あちこちに工夫が凝らされている。

いいぞ。

ところが先日、娘のお迎えに保育園に行くと、保育士さんから、園児同士の諍いの元になるから、手紙は保育園に持ってこないでくれと言われてしまった。

???

私は混乱した。手紙が諍いの元になる? どういうことだ? そもそも諍いの無い集団生活がありえるのか? それは手紙のせいなのか? むしろ諍いの中から学んで成長するのではないのか? どういうことなんだ?

しかし、父のそんな混乱を他所に、娘は次の日も凝った手紙を保育園に持って行き、保育士さんに没収されかけながらも、友だちには渡さないからとその場を言い繕い、あとでこっそり友だちに渡したそうだ。

いいぞ。

人と人とを絆ぎ直すための有効な武器として、理不尽な分断を突破する手紙本来の機能や効果を、既に娘は理解しているのかもしれない。

いいぞ。




いつもなら七時過ぎまで寝室でダラダラとしている娘ですが、今朝は六時にパッと目を覚まし、雛人形を片付ける! と叫ぶなり、テキパキと自分で着替えはじめました。

3月5日(金)

昨年末の深夜の車の突入事故。あの事故で破壊された玄関先の原状回復工事が、ようやく昨日より始まった。

工期は三週間を見込んでいるが、外構工事が主となるため、今後の空模様が少し懸念される。実際、火曜日の雨のせいで、週の頭から始まる筈の工事が、昨日にずれ込んでしまったのだ。ここまで時間が掛かったのだから、今さら数日のズレに焦ることもないのだけど。

工事はまだ始まったばかりなので、大きな変化はないけれど、とりあえず、瓦礫が撤去されただけでも、だいぶ気分が軽やかになった。




室外機が壊れてしまった寝室のエアコンが撤去され、寝室のベット脇の壁にダクトの穴がポッカリと空いている。不思議な物語がはじまりそうな穴だ。

3月8日(月)

娘がスイミングに通うようになって半年が経つ。

娘が自分から通いたいと言い出したことも大きいけれど、このパンデミックで週末に思うように出掛けられなくなってしまったことも大きい。

日曜日の朝八時からはじまる、一番不人気な時間帯のレッスンは、はじめの頃こそ行くのが億劫だったが、今では観覧席で読書をしながらのんびり過ごすことのできる、とても有意義で欠かせない時間となっている。

さて、そんなスイミングだが、振替のレッスンが余っていたので、試しに一番人気の土曜日の十時のレッスンに予約をして行ってみたのだが、人気の時間帯だけに、あまりの人の多さで更衣室では着替え待ちをしなくてはならず、プールの中も芋洗い状態で、それを見た娘は「もう帰りたい」と半べそをかく始末だった。もちろん観覧席には座ることもできなかった。

もしも毎週この状況だったら、親子共々、半年も通えなかったことだろう。日曜日の朝一番のレッスンで良かった。




さっきスイミングスクールから「会費改定のご案内」というメールが届いていた。コロナ禍における感染不安から会員数が著しく減少し、運営継続のため会費を14~16㌫値上げさせて貰いたい、という内容だった。致し方あるまいが、けっこうな値上げだ。

3月9日(火)

娘が、今日は保育園で年長クラスのお別れ会の練習があるのだ、と言うので、別れの歌だか別れの言葉だかを練習するのかと思い、何の練習をするのかと尋ねてみたら、椅子に座ってボーッとする練習だと言って、実演して見せてくれた。

退屈な儀式を静かにやり過ごすためには、無我の境地に至ることが最善だと、娘は早くも悟ったようだ。

頼もしい。




既に娘は、管理社会の不条理な慣習をユーモアで受け流す術を身に付けつつあるようです。そうした術を持たなかった父は、今でもいろいろと苦労しています。

3月10日(水)

我が家に使っていないグラスのケーキドームがあるのだが、逆さにして水を入れれば水草水槽にぴったりだと思い、春になったら水槽の立ち上げ作業に取り掛かろうと、とりあえず水耕栽培用のLEDライトを買ったのだけど、なぜか娘が、丸い水槽は嫌だ! と騒ぎはじめた。

嫌なのか。

仕方ないので、LEDライトはトイレの観葉植物用に設置することにしたのだが、設置から二週間、特に目立った変化も無く、あまり期待せず、気長に観察を続けていたら、去年の夏過ぎから調子が悪く、もう枯れ果ててしまったのだと諦めつつも、なかなかに捨てられずにいたコナラの苗(ドングリから発芽)から、今朝、新しい葉っぱが出てきているのを発見した。

LEDライトのお陰なのか、春の到来が近いだけなのか、何が要因なのかは分からないが、とにかく、このなんとも言えない感動を皆さまに。




水草水槽はコスト面も考えて、無難に小さめのキューブ型で立ち上げようかと思います。またはじめから機材やレイアウトを練り直さないと。まあ、悩むのも楽しいんですけどね。

3月11日(木)

あれから十年が経過するわけだけど、あの地震以降に、自分の身辺で起きた様々な変化のことを考えると、もの凄く昔のことのように感じてしまう。

十年というのは、なかなかの歳月だ。

我が家では、震災に備えて食料や飲料水はもちろん、ソーラーパネルやポータブル電源、ガスボンベといった燃料系の備蓄もしているし、更に、先月の余震を受けて、食器棚に耐震ラッチやガラス飛散防止フィルムも付けたのだが、首都圏の震災被害がどこまで深刻なものになるのかが分からない。

備えあれば憂いなしとは言うけれど、どこまで備えていても、憂いばかりが残ってしまう。




この一年は妻が在宅ワークだったので、震災時の娘の引き取りの心配をしなくて済みましたが、4月から妻が在宅ではなくなるので、また心配の種が増えます。

俺をテレワークにしてくれ!

3月12日(金)

去年の年末の追突事故で、二階の子ども部屋を支える柱が、無惨にもボッキリ折れてしまった。事故当時、部屋では妻娘が寝ていたが、部屋自体に大きな影響はなく、まあ、とにかく無事で何よりだった。

その柱の工事が、先日ようやく終わった。

一昨日からまた、妻娘は子ども部屋で一緒に寝はじめている。私は寝室のダブルベッドに一人で悠々と寝ている。

娘の深夜の闖入や妻の鼾に悩まされることも無く、やっぱ一人だとぐっすり眠れるな、などと思っていたのだが、昨晩とんでもない悪夢を見て、今日は寝不足気味だ。




来週にはすべての工事が完了する予定です。気づけば季節はもうすぐ春ですね。長かった。

3月16日(火)

来年度からのクラスに移行準備として、昨日、保育園では保育部屋の引っ越し作業があったそうだ。

これで4月から、娘もいよいよ最終学年である。

保育園に通いはじめて四年が経つが、こうして節目になるようなことがあると、あらためて娘の成長に感じ入るわけだが、同じクラスの友だちの成長にも驚かされる。入園当時はまだハイハイだった子も、今ではベラベラと話しかけてきたりして、子どもの成長の速さと摩訶不思議さに衝撃を受けるのだ。




昨日から突然、玄関の靴を並べたり、洋服を畳んだり、食器を片付けたり、娘が率先して生活に関わるようになりましたが、さてさて、いつまで続くことやら。なんと分かりやすく、なんと単純なんだろうか。

3月18日(木)

昨晩、子ども部屋から泣き声がするので覗いてみると、「大きくなりたくない」と言って娘が泣いていた。

よくよく聞いてみると、今月で仲の良い年長クラスの子とお別れになってしまうのが悲しくて、お別れしなくて済むには、ずっと今のまま、大きくならずにいればいいのだと考えたようだ。

子どもらしいと言えばそれまでだが、そうした気持ちはこの先も忘れずに、胸の中に大切にしていてもらいたいと、父は思います。




今朝はケロッとしていたので、早くも忘れてしまったのか?

3月19日(金)

普段、妻が娘を保育園に預けに行っているのだが、たまに私と保育園に行きたいと言って娘がきかず、仕方なく連れて行くことがある。

ただ、私が娘を保育園に預けに行くと、出社時間がけっこうギリギリになってしまうため、どこかで一瞬でも愚図られたりすると遅刻してしまうのだ。

そこで、保育園手前で自転車を急加速し、わざと保育園を通り過ぎて、こちらが暴走してしまうことにより、愚図る隙を与えないぐらいに娘を興奮させ、そのドサクサにまぎれたまま預けてしまう作戦をとったところ、これがかなり上手くいった。

さらに加えて「スーパー ハイパー コギコギ!」と叫んで加速することにより、演出効果は抜群である。

おかげで、今週は三回も私が預けに行っている。トホホ。




低速ギアでの漕ぎだしの加速度と適度な揺れを演出することによって、あまりスピードが出ていなくても疾走感を出せるのだ。

3月22日(月)

昨晩、寝る前から「保育園嫌だ」とグズグズしていたので、ちょっとアヤしいなと思っていたのだが、案の定、今朝は目を覚ますなり「保育園行きたくない」の一点張りで、なかなか布団から出ようとしない。

こうなっては、どうやったって無理なのである。彼女の意志が変わらない限り、彼女は梃子でも動かないだろう。

彼女をその気にさせるため、これまで蓄えた百戦錬磨の手練手管を、つまりは、私の腕の見せ所である。

軽いジャブの応酬から彼女の反応を確認し、急所を見極めて強めのストレートで攻め込む。ポイントが定まったら一気に左右フックのラッシュで布団から誘い出す。

今朝は3ラウンドTKO勝ちといったところだろうか。ちょっと苦戦する試合だったが、卒園生たちとのお別れ散歩ネタが最後の決め手となった。




朝の試合は結果に関わらず、私の朝飯は必然的にヌキになる。

3月23日(火)

会社近くの桜並木は、桜の花がだいぶ綻びはじめ、いよいよといった感がある。公衆トイレも新しく広くなり、道の脇には仮設のゴミ捨て場が設置され、ヤル気満々の臨戦態勢がとられている。

個人的には、やったれ! という気持ちだが、どうなるんでしょうか。週末の様子がわからないので残念です。




ここ最近の娘の愚図つきは、この時期の「別れ」が深く関係しているような気がします。

3月24日(水)

娘と離れて別の部屋で寝るようにしてから、寝かしつけもしなくていいし、深夜の襲来もなくなったので、よく寝られるようにはなった。

21時前後に娘に「おやすみ」と挨拶して、一人でちょっとベッドに横になっていたら、そのまま寝てしまっていることもけっこうよくある。

そんな時は、睡眠時間9時間である。

春眠サイコー!

3月25日(木)

朝、庭で薔薇の剪定をしていたら、右手の人差指に棘が刺さってしまった。出掛ける時間が迫っていたため、刺さった棘をそのままにして仕事に向かったのだが、そのうち抜けるだろうと思っていた棘は一日中刺さったまま、仕事中も疼くような地味な痛みに苛まれ続けた。

結局、家に帰って鋭いピンセットを使ってようやく抜けた棘は、一ミリにも満たない小さなものだった。こんな小さな棘によって、私は一日中痛みに悩まされ続けたのだった。

なかなかやるな。おまえ。




パソコンのマウスをクリックする度に襲ってくる鋭い痛みには参りました。棘は即座に抜きましょう。

3月27日(土)

お花見日和の土曜日だが、私は久しぶりの土曜日出社なのである。本当に、怒りがこみ上げてくるぐらいに残念だ。

会社の前の桜並木には、ここ最近では見たこともないほどの人が集まり、近くのコンビニは入場規制をかけるほどの盛況だが、私は仕事である。本当に怒りがこみ上げてくるぐらい。

お昼にサプライズで妻娘が会社まで遊びに来てくれて、桜並木でつかの間のお花見をしたのだが、午後から私はしっかり仕事なのである。本当に怒りが。

そんなわけで、悶々とした気持ちが溜まって、ちょっとしたことで職場で怒り散らしてしまったのだが。いや、ちょっとしたことではない。ちゃんと正当な理由があって怒ったのだが、まあ、こんな土曜日って本当に嫌ですね。

本日を今年度最優秀最悪土曜日に認定します。




仕事終わりに妻娘と合流し、ちょっと公園で遊んだのですが、洋服を汚したくないと思って尻をつけずに滑り台を滑ったら、バランスを崩して後方へ転び、思い切り背中を打ち付けました。しばらく息ができませんでした。

3月29日(月)

先週の土曜日があまりにも酷い一日だったので、今年度最優秀最悪土曜日に認定することで少しでも気分を変えようと試みたのだが、悶々とした気分をなかなか払拭できず、見るにみかねた妻が "Today is not your day." と慰めてくれた。

一般的な英語の慣用句だそうだが、岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』で三上博史が演じる「フェイホン(飛鴻)」の印象的な台詞でもあるそうだ。

この何気ない言葉が妙に胸に落ちたことで、それまでの悶々とした気分が一気に晴れた。言葉には不思議な作用があるものだ。

妻よ。ありがとう。




滑り台で転んだ時の痛みはまだ若干ありますが、大したこと無くて本当に良かったです。瞬間的に『死』を覚悟したほどの転倒でした。気をつけます。

3月30日(火)

暖かい。というか暑い。四月にもなっていないのにこの暖かさは、かなり異常なことではないだろうか。

ヱヴァンゲリヲンの世界では、地軸のズレによる気候区分の移動によって、日本の気候が特夏になってしまうのだが、現実世界もヱヴァンゲリヲンの世界に負けない状況だ。

しかし、地軸がズレるって凄いよな。

ただ、現実世界の気候変動は全世界的に温暖化が進むという点において、ヱヴァンゲリヲンの世界よりも深刻な状況なのかもしれない。

いや、もちろん地軸のズレも凄いけど。



そんなわけで、まだ三月だというのに娘は半袖半ズボンという出で立ちで、元気に登園している。ここは第三村か。

3月31日(水)

ここ数日、なぜか不眠が続いている。

これ以上不眠が続くと常態化してしまう危険性があるため、夜のメラトニンの分泌量の増加を図るため、今日の昼休みは屋外で日向ぼっこランチにしようと思う。

日光の助けを借りるのだ。

しかし、若い頃は少しの寝不足でも辛くて仕方なくて、学校をサボったりしたけれど、最近はけっこうな寝不足でも少し怠いぐらいで済んでしまう。

加齢のせいなんだろうな。




朝になってもぐっすり眠っていて、まったく目を覚ます気配のない娘の幸せそうな寝顔を見ていると、羨ましくも健やかな気持ちになりますが、もう少し早く起きて欲しいです。